企業のIT導入で問題が残るケース

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私は過去に大手電機メーカーのIT部門にいたので、開発のお作法のようなものを目の当たりにしています。そうでなくても、情報処理技術者、例えば基本情報技術者の勉強をすると、企業におけるメジャーな開発のルールというものを学びます。

ところが中小企業の場合、もしITを導入するとなると、大抵は社長のトップダウンで進むので、そうした開発のお作法なるものをある程度考えていらっしゃる経営者なら、開発後のことも想定して動くのですが、私のその大手から転職した先の企業では、そのような開発のお作法なるものが適応されていませんでした。

よくあるのが、システムを自社に使いやすいように、IT技術者の従業員に開発させたはいいものの、仕様書が残っていない・・・というのが典型例です。そもそも開発出身の経営者でもなければ、「仕様書を残す」という発想自体が無いのかもしれません。

方法としては、まず開発初期段階のタイミングで作ろうとしているシステムの全体の方向性を決め、それに合わせて仕様を確定させ、仕様書として文書に残し、その仕様書に合わせて開発を行うというもの。

もう一つは、経営者からおおよその方向性を聞きながら開発を進め、開発を進めながら仕様書も同時並行させて文書を作成するか、もしくは開発後に仕様書を作成するパターンです。

私が過去に勤めていたところにも、仕様書が残っていなかったというケースがありますが、そもそも開発の指示者が「仕様書を作成する時間を確保する」ということをしておらず、その開発者が退職した後に慌てるといったケースが見られます。

仕様書を残すチャンスがあるなら、経営者は「これは重要なチャンスだ」と察知してくれるとありがたいという話です。

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